みなさま、こんにちは。
「プルルルルルル」
会社の電話が鳴ります。
私:「はい、オフィス・トウェンティーワンでございます」
相手:「……ええと、オフィス・トウェンティーワンさんですか?」
私:「はい、オフィス・トウェンティーワンでございます」
相手:「ちょっとおうかがいしたいんですけどよろしいですか?」
私:「はい、どうぞ」
相手:「御社の医療辞書ってありますよね」
私:「はい、ございます」
相手:「この医療辞書ってどういう製品なんですか?」
私:「? どういう製品といいますと……?」
相手:「ええと、医療辞書っていうからには……」
私:「はい」
相手:「用語を入力して……」
私:「(ははあ、なるほど)」
相手:「見出しがあって……」
私:「はい、ご質問の意味は承知いたしました。」
相手:「ああ、わかってもらえました?」
私:「はい。ええとですね、弊社の医療辞書はパソコンのOSの日本語入力システムにセットして使用するための変換用語辞書になります」
相手:「はあ」
私:「OSには日本語を入力するためのソフトがございまして」
相手:「はあ」
私:「その日本語入力ソフトに弊社の医療辞書をセットしていただくと、入力した医療用語が簡単に変換できるようになります」
相手:「はあ」
私:「いわゆる用語の意味を調べられる辞書ではないんですよ」
相手:「ああ、そうなんですね……」
私:「はい、そうなんです」
相手:「そうですか。ありがとうございました……」
私:「こちらこそ、お電話ありがとうございました」
私がオフィス・トウェンティーワンに入社した当初は、日本語入力システムやIMEといった用語が一般的ではありませんでしたし(いまでも一般的ではないかもしれませんが……)、いまと比べるとインターネット上の情報も少なかったためか、上記のようなお問い合わせはかなり多かったです。
日本語入力システム(IME)用の読みと変換用語が対になったテキストの集合体を「変換用語辞書」とよびます。
※:ユーザが入力した用語を自動的に学習する辞書や〔単語登録〕した用語が収録されているユーザ辞書も変換用語辞書の一種となります。
なので、弊社製品「医療辞書」と「東洋医学辞書」は製品名に辞書がついておりますが、辞書は辞書でも日本語入力システム(IME)用の「変換用語辞書」になります。
しかしながら、お客さまにあからさまにがっかりされると、なんだかこちらも落ち込みますが、お問い合わせがあったということは、まちがえて購入をされなかったということになりますので、それはそれでよかったと思っております。
とはいえ、いまだにお問い合わせがあるということは、弊社製品が日本語入力システム(IME)用の「変換用語辞書」だという認知をされていないということになりますので、お客さまにもっとわかりやすくアピールをしなくてはいかんと強く決意するのでありました。